【財務分析】いまさら聞けないGAFAって何のこと?【企業分析】

【財務分析】いまさら聞けないGAFAって何のこと?【企業分析】

「GAFA」という言葉を聞いたことがありますか?

当然知ってるよ!という方には今回の記事にはあまり真新しいことはないかもしれません(笑)

「GAFA」とはGoogle・Apple・Facebook・Amazonの4つの米国企業のことを指します。今回、いくつかの書籍を読んでみて、改めて各社のことを調べてみたくなりました。

参考書籍

GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略

収益の仕組みは?経営者の特性は?次なる目論見は?日本の活路は?8社を「分類→比較→分析」。なぜスゴいのか。何がスゴいのか。これならわかる!
(「BOOK」データベース」より)

ITビッグ4の描く未来

インドをニューフロンティアにするApple。Amazon.comが目指す次世代配送システム「Prime Air」。Googleが次に狙うはテレビ視聴者。VRで次世代ソーシャル目指すFacebook。未来を描き、現実にしていくIT巨大企業4社の戦略を読み解く。
(「BOOK」データベース」より)

各企業についてまずは比例縮尺財務諸表を提示して、その後にそれぞれの企業の持つ特徴をみていきたいと思います。

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Google(グーグル)

貸借対照表と損益計算書


2018年12月期の売上高は136,819百万ドル、総資産は232,792百万ドルです。(日本基準とは違い、特別損益を加減したあとに営業損益が計算されます。)
自己資本比率(純資産=自己資本と仮定)が約76%と非常に高いことも特徴ですね。

Form 10-Kから売上高の内訳を詳しく見てみましょう。(ちなみにForm 10-Kとは日本の有価証券報告書のようなものです)

2018年12月期、アルファベット社全体の売上高に占めるグーグルの広告事業の売上高の割合は約85%にもなります。それだけ広告事業に依存していることになります。

次にキャッシュ・フロー計算書です。

キャッシュ・フロー計算書のパターンとしては、営業活動で生み出したキャッシュを投資活動や財務活動に回していることがうかがえます。営業活動【+】・投資活動【-】・財務活動【-】の典型的な優良パターンですね。

特に財務活動の内訳をみると、2017年12月期と比較して「自己株式の取得」の金額が2倍になっていました。株主還元にも積極的だといえると思います。

特徴

グーグルは厳密には「持株会社アルファベット」の傘下の企業です。しかしアルファベット社の事業のほとんどはグーグルの事業が占めており、実体はグーグルとみてよいでしょう。

私たちはスマホなどのデバイスやテクノロジに触れるにあたり、何らかの形でグーグルのサービスを利用しているのではないでしょうか。

何か知りたいことがあれば、グーグルのブラウザChromeを立ち上げて情報を検索します(「ググる」と言う人も多いかもしれませんね)。どこかへの道順を知りたければグーグルマップを使います。カーナビの代わりにもなります。また、グーグルのOSであるアンドロイド搭載のスマホやタブレットPCを使っている方も多いと思います。

今や、私たちのありとあらゆるところにグーグルのサービスが浸透し密着しています。

密着しているということはそれだけ私たちの情報もグーグルへ提供されていることになりますよね。そしてそれらの蓄積された情報があるからこそ、その情報の持ち主のためにカスタマイズされた、最適な広告をグーグルは配信することができるのです。

その広告事業がグーグルの事業の柱であり、再度になりますが売上高に占める割合は約85%(2018年12月期)になります。そしてネット広告のグローバルシェアはNo.1です。

グーグルの傘下には動画配信サービスのYouTubeもあります。そしてYouTubeで動画を観ていると、最近は頻繁に広告が出てくるようになりましたよね。YouTubeプレミアムという有料サービスが開始されましたが、そのサービスに加入することでいくつかの特典があり、そのひとつとして「広告が消せる」特典もあります。

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Apple(アップル)

貸借対照表と損益計算書


2018年9月期の売上高は265,595百万ドル、総資産は365,725百万ドルです。

固定資産が多くなっていますが、これは有価証券が多いことが要因です。(固定資産のうち、約73%を有価証券が占めています)

2018年9月期のForm 10-Kからセグメント情報を引用します。

地域別売上高では日本が2017年9月期と比較して、23%増と一番伸びていることがわかりますよね。

製品別ではやはりiPhoneの売上が全製品売上高の約63%を占めていてダントツです。

次にキャッシュ・フロー計算書です。


アップルもグーグル同様に財務活動にて「自己株式の取得」で前期の2倍の金額を支出しています。
金額も多額でかなり積極的な株主還元といえるでしょう。

特徴

アップルといえばiPhoneやiPadを思い浮かべる人も多いと思います。

新製品や新サービスの発表ではニュースやTwitterなどのSNSでも何かと話題になりますよね。それだけ話題になるということは「ワクワクする製品やサービスを発表してくれる」と、みんなが期待しているという証明でもあります。

アップルはグーグルのOSアンドロイドと同じように独自のOSである「iOS」を開発し、それをiPhoneなどに搭載しています。アプリも専用のアップストアでダウンロードする仕組みになっています。

そしてアップルはファブレス経営としても有名でした。ファブレスのファブとは工場の意味であり、ファブレスとは自社工場を持たない、という意味です。ですからiPhoneなどの製造は主に他社に委託しています(ちなみに日本国内企業では任天堂もファブレス経営です)。しかし、それも徐々に脱却しているように思いました。

下記は2018年9月期の貸借対照表から「資産」を抜粋したものです。有形固定資産は2017年9月期から約22%増加しています。

さらにキャッシュ・フロー計算書から「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分を抜粋します。やはり「有形固定資産の取得による支出」は増加傾向です。

さらに、有形固定資産の増減の内訳をみてみます。ここでも土地建物・設備が増えていることがわかります。

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Facebook(フェイスブック)

貸借対照表と損益計算書


2018年12月期の売上高は55,838百万ドル、総資産は97,334百万ドルです。

営業利益は約24,913百万ドルであり、売上高営業利益率は約45%と驚異的な数値です。そしてなんといっても自己資本比率がなんと約86%です!

次にキャッシュ・フロー計算書です。

営業利益が多いことが影響し、営業キャッシュ・フローもその恩恵を受けていることがわかります。またグーグルと同じように、営業活動【+】・投資活動【-】・財務活動【-】の典型的な優良パターンです。

特徴

フェイスブックはリアルなSNSとして認知されていますが、売上の大部分はグーグルと同じくネット広告収入(グローバルシェアNo.2)です。

傘下には画像投稿SNSのInstagram(インスタグラム)もあります。そのインスタグラムでも広告が配信されるようになりました。企業がインスタグラムに広告を配信するためには、まずはフェイスブックのアカウントを作成し、契約することが必要です。

私もインスタグラムは利用していますが、画像投稿がメインのSNSですから、そこに広告が入り込むのは視覚的にも違和感なく感じています。フェイスブックはインスタグラムを実にうまく利用しているな、と私は思います。

しかし、フェイスブックは過去に何度か重大な個人情報漏洩の事故を発生させています。フェイスブックは実名で登録している人がほとんどでしょうから、氏名はもとより、勤務先や部署・肩書、連絡先なども多く含まれています。それらの情報(データ)は非常に貴重なものであり、喉から手が出るほど欲しい悪質な業者なども存在するはずです。

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Amazon(アマゾン)

貸借対照表と損益計算書


2018年12月期の売上高は232,887百万ドル、総資産は162,648百万ドルです。

総資産回転率はこれまでの3社と比較して高くなっていますが、売上高営業利益率は約5.3%と非常に低くなっています。総資産回転率が高くなるのは、小売業の特徴のひとつとも言えますね。

次にキャッシュ・フロー計算書です。

アマゾンはキャッシュフローを特に重視しており、財務諸表のトップにキャッシュ・フロー計算書を持ってくるほどに重視しています。そして配当金の支払いも行っておらず、その代わり、投資を積極的に行っています。

特徴

アマゾンはショッピングができるECサイトを運営しており、そのイメージが強い人が多いと思います。売上もECサービスの売上がほとんじゃないの?と思う人も多いのではないでしょうか。確かに売上の柱はECサービスですが、原価を引いた利益(営業利益)ベースでは違う側面があります。

実際の利益の柱は「AWS」というサービスです。

「AWS」とはAmazon Web Serviseの略であり、わかりやすくいえばアマゾンが提供する「企業向けクラウドサービス」です。

では2018年12月期のForm 10-Kからセグメント情報を見てみましょう。まずは売上高の内訳・推移です。北米事業・国際事業・AWS事業の3つのセグメントがあります。そのうち、AWS事業の増加率が高いことがわかります。

また下記は営業利益の内訳・推移です。AWS事業は利益率も約28%と高く、アマゾン全体の利益に大きく貢献していることがわかります。

マイクロソフト・IBM・グーグルなどもクラウドサービスを展開していますが、アマゾンのAWSは他社を圧倒し、グローバルシェアNo.1です。シェアについて詳しく知りたい方は下記の記事(英語)も参考になります。

その他、AIスピーカー「アレクサ」や無人コンビニ「アマゾンGO」など事業は多岐に渡ります。

noteに補足情報も書いているので、良ければご覧ください!

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まとめ

GAFAを理解するうえで、まずは事業の柱をとらえましょう。

グーグル:ネット広告事業
(グローバルシェアNo.1)

アップル:iPhone関連

フェイスブック:ネット広告事業
(グローバルシェアNo.2)

アマゾン:AWS(クラウド)事業
(グローバルシェアNo.1)

そしてここにAI(人工知能)、自動運転技術など各社が競合し、さらに中国のバイドゥ・アリババ・テンセント・ファーウェイなどの企業も猛追・比肩するまでに成長しています。

GAFAとBATHの対立についても今後記事にしたいと思います。

ひろりん

GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略

収益の仕組みは?経営者の特性は?次なる目論見は?日本の活路は?8社を「分類→比較→分析」。なぜスゴいのか。何がスゴいのか。これならわかる!
(「BOOK」データベース」より)

ITビッグ4の描く未来

インドをニューフロンティアにするApple。Amazon.comが目指す次世代配送システム「Prime Air」。Googleが次に狙うはテレビ視聴者。VRで次世代ソーシャル目指すFacebook。未来を描き、現実にしていくIT巨大企業4社の戦略を読み解く。
(「BOOK」データベース」より)