ITストラテジスト合格体験記

ITストラテジスト合格体験記

今日は情報処理技術者試験の最高峰である「ITストラテジスト」の合格体験記・勉強法を書こうと思います。

ITストラテジストがどんな資格なのか、わからない人もいると思うので、そのあたりから書いてみますね。

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ITストラテジスト合格体験記

まず、このITストラテジストという資格ですが、どんな資格か、みなさんご存知でしょうか?
情報処理推進機構のサイトから「対象者像」を引用します。

高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術を活用して改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。また、組込みシステムの企画及び開発を統括し、新たな価値を実現するための基本戦略を策定・提案・推進する者

次に「役割と業務」についてです。

情報技術を活用した事業革新、業務改革、革新的製品・サービス開発を企画・推進又は支援する業務に従事し、次の役割を主導的に果たすとともに、下位者を指導する。

  1. 業種ごとの事業特性を踏まえて、経営戦略の実現に向けた情報技術を活用した事業戦略を策定し、実施結果を評価する。
  2. 業種ごとの事業特性を踏まえて、事業戦略の実現に向けた情報システム戦略と全体システム化計画を策定し、実施結果を評価する。
  3. 情報システム戦略の実現に向けて、個別システム化構想・計画を策定し、実施結果を評価する。
  4. 情報システム戦略の実現に向けて、事業ごとの前提や制約を考慮して、複数の個別案件からなる改革プログラムの実行を管理する。
  5. 組込みシステムの開発戦略を策定するとともに、開発・製造・保守などにわたるライフサイクルを統括する。

と、ズラズラ引用しましたが、これを読んでみて
「なんだかかっこよさそう!」
これがこの資格を取ろうと思った、一番最初の動機です(笑)そして合格者の平均年齢も40歳くらいで私とドンピシャでした。

体験記に入る前に

最初の動機はなんでもいいと思うんです。どんな資格であっても。
一番大事なのはシンプルに「自分が取りたいと思ったかどうか」

その気持ちがあるかによって、勉強にも主体性が生まれてきます。周りから勧められて勉強したものはつまらなかったり、長続きしなかったりします。実際に、会社から取らされる資格の勉強はつまらなかったりしますよね?

勉強が楽しくなるのは、自分自身が主体性を持って、試行錯誤しながら勉強している時だと思っています。もちろん、いろんな人からアドバイスをもらうのは有益なことです。

しかし、そのアドバイスには、ひとりひとり、合う合わないがあると思うんです。「このアドバイスは使えるな、ここの部分は自分には合わない、これは少し試してみよう」とか、すべてを鵜呑みにしないで、自分で試行錯誤するのが、勉強が楽しくなるコツです。

試行錯誤しながら勉強を楽しんでいると、道はけわしいながらも、徐々に合格への一本道がぼんやり見えてくると思います。

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具体的な勉強法

まずは目標を知らなければ対策の立てようがありません。それを調べてみます。
ちなみに私が合格した、去年(平成28年度)の合格率は14.0%でした。私の結果ですが、ここまで取れてるとは思っていなかったので、かなり驚きました。各科目6割以上で通過、合格です。

区分 得点
午前1(選択式 共通) 免除
午前2(選択式 専門) 88点
午後1(記述式) 86点
午後2(論述式) A

午前1の選択式については、事前に「応用情報技術者」試験に合格していたので、免除科目として申請しました。なので、午前2のITストラテジスト専門分野からの参戦です。

免除科目を申請することで試験開始時間が遅くなるので、余裕をもって試験会場へ行くことができます。気持ち的にも、楽になりますよね。

午前1の共通分野の選択式については、ITの全般的な知識を問われるので、勉強範囲としてはかなり多いです。合格への戦略としては、応用情報技術者など他の試験区分で午前1免除をゲットしてから、というのが王道でしょう。午前1免除をゲットすると、その効果は2年間有効です。

ただ、午前1と午前2に共通ですが、過去問からの流用がとても多いので「過去問演習」がかなり効きます。逆を言えば、過去問演習をしなければ合格は難しくなります。

過去問については情報処理推進機構のサイトで公開されているので容易に入手できます。ぜひ、積極的に利用しましょう!

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使用したテキスト類

情報処理推進機構のサイトから過去問ダウンロード

情報処理教科書 ITストラテジスト

この書籍は特にオススメです!

論文の設計方法など、具体的に書かれています。また、論文に使える「キーワード」などもたくさん収録されています。論文へのアプローチは他の論文区分の試験へも応用できるので、この書籍でぜひマスターしてください!

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ITストラテジスト合格論文の書き方

過去問を題材に、たくさんの論文事例が記載されています。その事例から、論文ネタやキーワードを抽出するもよし、骨子を考えるヒントにするもよし。いろいろな使い方ができると思います。

ITストラテジスト最速の論文対策

ITストラテジの応用知識

「勝者のIoT戦略」などの一般書籍

事前にストックする事例に不足を感じていたため、図書館や書店で参考になりそうな書籍を探していました。
私が下記に挙げた事例も、こちらの書籍からヒントを得たものです。テキストだけではなく、様々な書籍を時間が許す限りあたってみましょう。試験の合格に近づくことはもちろんですが、その後の仕事のヒントにもなりえます。


どんな資格でもそうですが、最重要なのは「過去問」です。これと仲良くならなければ合格はできないと言ってもよいと思います。

この試験で一番難しいのは午後2の論文式の対策です。ここで、A~D評価のうち、A評価をもらえなければ最終的に合格できません。しかも、直前の段階をパスしなければ、その次の段階の採点はしてもらえない、という厳しい採点方針です。

例えば午後2の論文を書ききったものの、午後1の記述式で基準点(6割)にいかなければ、そこで足切り。午後2の論文をどんなに頑張って書いても、いっさい読んでもらえず評価もつきません。

そのため、午後1の記述式も決して安心してはいられません。しっかりと対策をしておくことが大事です。しかし、午後1の記述式は「国語」の問題の面もあり、日ごろから読書をする習慣だったり、文章を書いているか、などの要素も関係してくると思います。

そうはいっても、私はそれまで読書などの習慣はなかったので、そこは過去問を解きまくるしかないと思いました。確か、10年分くらい解いたと思います。約40問くらいの問題を解いたと思います。それで十分すぎるほど対策はできたと思います。

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午後2の論文対策

本当にここが最大の難所です。

この論文があるから受験しない、という人もたくさんいると思います。字数としては、2,500字前後を書くことになります。原稿用紙にしたら、約6枚分です。それを制限時間の2時間で書き上げます。
しかも何を書いてもよい、というものではなく「テーマ」が与えられます。

実際の過去問をご覧になっていただければわかりますが、3題の「テーマ」から1題を選んで、それについて詳細に論述することになります。私が受験したときは下記のテーマでした。

  • ビッグデータを活用した革新的な新サービスの提案について
  • IT導入の企画における業務分析について
  • IoTに対応する組込みシステムの製品企画戦略について

昨今の情勢からビッグデータ、IoT関連は一番マークしていたテーマでした。書籍でのインプットもバッチリでした。なので、題材の選択としては、即効で「1」を選択。

では具体的にどんな内容を書こうと想定していたのかというと、私はメーカーでの生産管理の経験が長かったので、その工場での経験を活かしました。

想定した内容

論文の想定企業として、設備機器メーカーを想定しました。
その設備機器メーカーが大型の設備を顧客に納入している状況です。

そこから何か付加価値のあるビジネスが生まれないか、と考えました。

具体的な想定内容です。

各企業の設備投資は落ち着いている状況で、新規案件の受注はあまり見込めない。そこに、ビッグデータを活用して、設備の稼働状況をリアルタイムに収集する方法を考えました。そこからさらに踏み込んで、故障が起こる前に事前に察知する「予防保全」の提案をすることにしました。

具体的には、現在の設備にセンサを取り付ける。そのセンサは電源を必要としない、電池交換型にする。そこから無線方式リアルタイムに稼働状況のデータを蓄積し、故障の前兆をキャッチ。該当部品を事前に交換するなどして、顧客先の故障によるライン停止を極力少なくすることを目標にしました。

ライン停止を避けることで、顧客の機会損失は抑えられます。また稼働状況のデータに関しては、顧客でも取り出して加工するなどして、自社の業務に役立てられることを想定しました。

要約すれば上記のような論文を書きました。細かいところはツッコミどころ満載です。しかし、技術がどうこうとか、そこはあまり書く必要はありません。

ITストラテジストとしては企業の経営陣に何を具体的に提案するのかが問われます。その提案を実際に実現可能かどうかを判断するのは、システムアーキテクトなどの試験で問われます。

当日はどんなテーマが出るかわかりません。なので、日ごろからどんなものが流行っているのか、をいろいろなチャネルで集める必要があります。

この試験は暗記すれば合格できる試験ではありません。午後の試験に関しては、やはり「自分で考える」ことが大切になってきます。

頭で考えたことを文章にしてアウトプットする力。私自身、文章を書くことはあまり苦にならないので、そういうことも一発合格できた要因かもしれません。

IoTに関する事例として小松製作所(コマツ)のKOMTRAX(コムトラックス)というシステムがあります。KOMTRAXについては下記の記事でも詳しく書いているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

論文ネタのインプットと手書きのススメ

最後に論文のためのインプットですが、これは自身の経験とか、書籍など、たくさんのアンテナをはって集めてくるしかありません。それを自分なりにデータ化しましょう。

そしてそのデータを部品化して、どんなテーマが出ても、組み合わせるようにしておく。決してデータ化するだけで満足してはいけません。

それをどんな形であれ、自由自在に組み合わせることができるようにしておくのが重要です。そのためには過去問のテーマを使って「実際に論文を手で書いてみる」のが一番です。

ポイントは手で書くということです。一度は手で書いてみてください。かなり疲れます(笑)でもその感覚は試験で生きてきます。是非、トライしてみてくださいね。

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まとめ

ITストラテジスト試験の最大の難所は午後2の論文対策です。

この論文ネタをいかにたくさん集めるか、それを自由自在に組み合わせて論文を書けるか、それに尽きます。

その他は過去問演習の繰り返しで乗り切れると個人的には思います。実際にITストラテジストとしての経験がなくても十分に受かる試験です。

よくネットではかなり高難度の試験として紹介されていますが、それに臆せずに挑戦してほしいと思います。そしてITストラテジストがもっと普及して、世間の評価も上がってほしいと思います。

ひろりん