日商簿記1級合格体験記 後編

日商簿記1級合格体験記 後編

みなさん、こんにちは。ひろりんです。

それでは、日商簿記1級の合格体験記、後編です。

前回は<停滞期>をテーマにしましたが、今回は<合格期>ということで、勉強法や具体的にどんなことをして合格できたのか、を詳しく書いていこうと思います。

前編はこちらをご覧ください。
この後編の記事と対比して読んでいだだけると「私の勉強のどこがいけなかったのか」具体的にわかると思います。

合格体験記<合格期>

まずは第146回の試験で合格するまでの得点の経緯についてです。
各科目10点以下は足切りとなり、不合格となります。

開催回 商簿 会計 工簿 原計 合計 主な勝因と敗因
135 8 7 4 13 32 敗)インプット、アウトプット不足
140 13 22 19 14 68 敗)ケアレスミス多し
141 14 19 13 18 64 敗)工業簿記の費目別計算の対策不足
143 16 19 9 22 66 敗)工業簿記の予定配賦を実際配賦にした
144 12 16 18 16 62 敗)商業簿記の時間配分ミス
146 21 16 13 20 70 勝)ケアレス対策、問題取捨選択、現場対応力O.K.

次に使用したテキスト類です。

  • プロフェッショナル簿記講座およびプロ簿記サイトコンテンツ
  • TAC「合格するための過去問題集」
  • TAC「出題パターンでマスター過去問題集」2冊
  • TAC「合格トレーニング工業簿記(日商簿記2級)」
  • TAC「簿記の教科書」6冊
  • ネットスクール「合格するための学校[テキスト]工業簿記・原価計算」3冊
  • 「会計のことが面白いほどわかる本(基本の基本編)」
  • 「会計のことが面白いほどわかる本(会計基準の理解編)」(参考程度)
  • 「ゼミナール現代会計入門(第9版)」(参考程度)

プロフェッショナル簿記を受講(第1期生)

合格まで、あと数点足りない、いわゆる60点台症候群に私は陥っていました。
そんな時に出会ったサイト。
それが「プロフェッショナル簿記」です。

講師は富久田文昭(とみくだふみあき)先生です。
この先生は某スクールにて主に工業簿記・原価計算の講義を担当されていました。
また一般企業での勤務経験や自社の経営経験も豊富にある先生です。

先生のことを知ったのは、某スクールでの無料講義でした。
テーマは「設備投資の意思決定」でした。

1級を勉強していれば、どんな論点かわかると思いますが、1級の最重要論点のひとつです。
短時間での講義でしたが、実にわかりやすい講義で目からウロコでした。

ただ問題解説するのではなく、本質をかみ砕いて説明してくれて、また自身の勤務、経営経験に裏打ちされた説明なので、とてもわかりやすくイメージすることができました。
また講義にも抑揚があり、退屈させない講義でした。

ふとしたことからプロフェッショナル簿記(以下、プロ簿記)のサイトを知り、頻繁に訪れることになりました。
コンテンツである記事を読み込んで、わからないことは記事にコメントをして質問する。
すると、先生がすぐに回答してくれました。
それまで独学だった私は、すぐに回答をしてくれる環境は非常にありがたい環境でした。

またひとつひとつの記事の内容も、かみ砕いた、本質をついた内容で興味をもってどんどん読み進めることができ、勉強が楽しいものだと再認識させるものでした。

去年の12月頃でしょうか。そのプロ簿記のサイトで募集されていた、無料の簿記1級講座へ参加することになりました。第1期生として、モニターとしての参加です。
その講座のおおよそのスケジュールは以下の通りでした。

  • 12月~1月:2級工業簿記の総復習
  • 2月~5月:過去問を中心としたネットでのリアルタイム講義(週2回)
  • 5月下旬:自宅にて模擬試験
  • 6月中旬:本試験

以上を基本スケジュールとして、まずは2級工業簿記の復習を年末年始で終えることになりました。

講座で配布された課題をこなし、自身では、TAC「合格トレーニング工業簿記」を1冊終えることを年末年始の目標に設定しました。

配布された課題についても、工業簿記の勘定連絡図など土台となる知識を確実に身に付けさせる内容で、この時期の工業簿記の総復習は最後まで効果があったと思います。
また工業簿記は自身でも苦手意識が強くあったので、ここを克服することが合格のために最優先という認識もありました。

そして2月から始まったリアルタイムでの講義。

週2回で毎回2~3時間ほどで、講義中には先生にチャットを使って質問ができました。
それに対して、先生がすぐに回答をくれます。

なので、講義中に感じた疑問点はここですぐに解消することができました。
また講義のあとなど、わからないことがでてきた場合は、講座専用のSNSにて質問をすることができます。
そこでの回答も早く、モヤモヤを先延ばしすることなく学習を進めることができたと思います。

予想中心から過去問中心へ

合格体験記の前編でも書きましたが、それまで過去問演習を軽視していました。

しかし、この講座では、とことん過去問重視。難しい予想問題は必要ない、と。

確かに各社の予想問題は難しくて、解いても点数が取れなくて毎回落ち込むんです(笑)
こんなに難しいの出たら、また落ちちゃうな。なんて常に自信を失くしていました。

それと、本試験では難しい問題は出ても配点がこない可能性があり、むしろ基本論点をケアレスミスなどで落とすことのほうが罪だと教えられました。

上記の得点の経緯をご覧になっていただけるように、ケアレスミスで失点していることが多く、それがなければもっと早く合格できていた可能性もあります。

  • 難しい論点を時間をかけて回答して1点ゲットする(もしくは配点なし)
  • 基本論点を確実に回答して2~3点ゲットする

あなたなら、合格するためにどちらを選択しますか?

日商簿記1級の試験は相対評価です。

日商は公表していませんが、合格率をおおよそ10%前後に調整していると思われます。
しかし、最近の試験では10%を切っています。おまけにその合格者の中には、公認会計士の受験生も多数含まれていると言われています。その公認会計士受験生たちの中で、純粋な1級受験生が合格するためには、戦略が必要で、基本論点を落としてしまうとそれだけで合格が遠のきます。

そういうことから、重箱の隅をつつくような応用論点、難しい論点にはあまり時間をかけずに、基本論点を確実に取る必要があります。

では「基本論点」とは何か?
そこで過去問が重要になってきます。基本論点とは過去の試験で頻繁に出されている論点です。
例えば、有価証券、固定資産(減価償却)、経過勘定の処理などです。
このあたりの論点は合格への戦略として、絶対に落としてはいけません。

暗記型から理解型へ

2級から1級へ勉強を進めてきて、2級では通用していた「暗記」があまり通用しなくなります。

その理由は1級の範囲が膨大だということがあります。
またその延長線上で1級へ進んできた受験生は、覚えては忘れ、覚えては忘れ、の繰り返しで挫折しやすくなります。私も以前はその傾向がありました。前編を読んでいただければわかると思います。

そして「そんな暗記、パターン暗記では受からせないよ」という試験作問者の意図も、試験後の講評などからも伝わってきます。

とにかく、各論点について、どんな内容なのか?どんな処理なのか?なぜそんな処理をするのか?などを自分で腹落ちするまで理解し、できれば会計素人の人にわかりやすく説明できるレベルになると、少しくらい勉強しない期間があっても、忘れません。
忘れたとしても、記憶のスイッチを押してあげればすぐに思い出します。

是非「理解型」を目指して勉強してください。そのためには、スクール依存や主体性のない勉強ではなく、自分で主導権を握るつもりで、是非スクールなどを活用してみてくださいね。

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過去問演習のやり方

1級の試験は商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算と合計4科目あります。
試験時間は前半90分、後半90分ですよね。

では過去問演習はどう進めるか。

それは自身が置かれている状況で、柔軟に対応することをオススメします。
何も、4科目通しでやることはないし、2科目90分が長ければ、1科目でもいいと思うんです。
私も実際は1科目単位で解くことがほとんどでした。主な理由は疲れるからです(笑)
それであれば、集中できる時間を確保して、1科目でも解ければいいと思いました。

昼休みの20分しか時間が取れなくても、その時間で理論だけなら解けるかもしれません。
もしかしたら、会計学だけなら解けるかもしれません。

ただし、私はできるだけ本試験と同じ緊張状態にしたかったので、私は時間的負荷をかけていました。

例えば、商業簿記1科目であれば、均等配分すれば45分の制限時間ですが、それを40分の制限時間にしてわざと緊張状態を作るわけです。
そうすることによって、思わぬケアレスミスをすることがあります。
そのミスは本番でもする可能性が大です。
あえて、そのようなミスをあぶりだすことで、対策することが見えてきます。

勘違いしないでいただきたいのは、過去問演習では高得点を取ることが目的ではないということです。

基本論点を落としていないか、問題の取捨選択はできたか、時間配分はうまくいったか、など、過去問を解く前に、自分なりのテーマをもって過去問を解いてみてください。

仮に、まぐれで1科目20点が取れたとしても、基本論点を落として失点してしまっては、本番で同じことを繰り返します。過去問を解いた後のケアを大事にしてください。

ケアレスミス対策

最後にケアレスミス対策です。

これは「ケアレス」という言葉もよくないのですが、単なるケアレスミスで済ませないことが大事です。
私が1級に落ち続けたのは、論点の理解不足もありますが「ケアレスミスを甘く見ていた」という大きな要因があります。

特に工業簿記などは、ひとつのケアレスミスで芋づる式に大失点することがあります。
そうなると、もはやケアレスではないです。

過去問演習を進めるうちに、点数はもちろんですが、ケアレスミスをデータ化することにしました。
とはいえ、大したものではなく、Excelで簡単なケアレスミス管理表を作成しました。

  • 問題のどの論点、どの計算過程で間違えたか詳細に分析する
  • その分析に対して「具体的な」対策を考える

「具体的な対策」というのが最大のポイントです。

本試験でその対策を実践できなければ意味がありません。
ケアレスミスは個人差があるので、一概に何が対策になるかのアドバイスが難しいです。
そのために過去問を最大限利用して、意図的にケアレスミスを誘発させる。
その上で、何が自分にとって有効な対策になるのか、とことん考えることが大事です。

特に60点を超えた受験経験者にとっては、このケアレスミス対策が合否を分けることにつながりやすいです。是非、徹底的にケアレスミスの分析と対策をしてみてください。

ケアレスミス対策については、以下の記事でより詳しく書きました。
こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

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まとめ

私が合格できたのはこれまで書いてきたように、主に次の要因です。

  • プロ簿記の講座に参加できた。
  • 暗記型から理解型に変わった。
  • 過去問重視に切り替えた。
  • ケアレスミス対策を徹底的におこなった。

本当に日商簿記1級は難しい試験です。
これまでたくさん試験を受けてきましたが、その中でも圧倒的に難しかったです。

ただ、合格して感じることは、見える景色が確実に変わったことです。
以前よりも会計の知識に自信を持つことができたし、誰かにわかりやすく説明する自信もついてきました。
ただ、それでもまだまだわからない論点はたくさんあるし、日々勉強です。

勉強は本来楽しいものです。つらい勉強は身につきません。
合格した今、それ以前よりもますます楽しく勉強をしています。
これを読んでくださった方には、是非ともそこまで登り詰めてほしいと思います。

それと勉強法など聞きたいことがあれば、遠慮なくコメントしてくださいね。

ちなみにこちらのサイトの記事もすごく参考になるので、良ければ合わせて読んでみてくださいね。
→さつきさんのブログ「一寸先の光」はこちらへ
ひろりん